成績を上げるために
「とにかく勉強時間を増やそう」
「ひたすら練習問題を繰り返そう」
と時間を費やしてしまう人がいます。
もちろん、ある程度の学習時間を確保して問題をこなしていくことは大切です。
しかし、正しい勉強法が分かっていなければ、いくら頑張っても結果につながりません。
このページでは、勉強の進め方や各科目ごとの勉強法を紹介します。
正しい勉強法で勉強すれば、結果につながるので勉強することがどんどん楽しくなります。
「勉強法が分からず悩んでいる」という方や、「今までの勉強法でなかなか結果が得られなかった」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
勉強法がしっかりしていると何が良いのか
・勉強ができるかどうかは生まれつきの才能の問題
・良い成績を取れる人はもとから頭が良いんだ
そう思っていませんか?
しかし、勉強法は後から身につけることができるものです。
「自分には勉強が向いてない」と思っている人も、ただ勉強法を間違えているだけと言うこともあります。
このページでは具体的な勉強法を伝えていきますが、その前に、勉強法がしっかりしていると何が良いかを理解してもらいたいと思います。
勉強法がしっかりしていると、主に以下3つのメリットが得られます。
1つずつ説明していきましょう。
⇒1.勉強が楽しくなり成績が良くなる
スポーツでも遊びでも、楽しんで取り組める人ほど上達が早いですよね。
勉強も同じです。
勉強法がしっかりしていると、成績が良くなります。成績が良くなると、勉強が楽しくなります。勉強が楽しくなると、さらに成績が良くなります。
このように勉強法を確立しておくことで、結果が出るから→勉強が楽しくなる……といった好循環が生まれるのです。
⇒2.達成感を味わうことができる
勉強と聞くと「やりたいことを我慢し、歯を食いしばり頑張る」といったイメージを抱いている人がいるかもしれません。
たしかに苦しいことを耐えた先に良い結果を得られれば、達成感は大きいです。
しかし、内心「つらい。やりたくない」と思いながら勉強を続けていると、いつか息切れしてしまいます。
激しい受験勉強を勝ちぬいた人が、受験勉強の反動で勉強から離れてしまうこともあります。
長い目で見れば、楽しく勉強することが、より多くの達成感を得るための秘訣なのです。
ちなみに勉強することで得られる達成感には、
①人から褒められることによる達成感
②できないことができるようになる達成感
といった2種類の達成感があります。
勉強法がしっかりしていれば、この2つの達成感を同時に、しかも何度も味わうことができます。
⇒3.身についた勉強法は一生役に立つ
勉強は学生だけのものではありません。
むしろ社会に出てからの方が、勉強する機会が増えます。なぜなら社会に出て自分の力で生活していくようになると、自分に何が不足しているのかがはっきりしてくるからです。
自分の不足している能力を引き上げたいと思ったら、新たな知識やノウハウを習得していく必要があります。
若いうちに勉強法しっかり身に付いていれば、大人になってからも効率的に必要なスキルを身に付けることができます。
資格勉強にしろ、習い事にしろ、新しいビジネスに挑戦するにしろ、人生は勉強の連続です。
勉強法をしっかり身に付けておけば、将来あなたが「これがやりたい」「ああいう人になりたい」と思った時に必ず助けてくれるのです。
全科目に共通する勉強法
勉強法を身に付けることのメリットがわかったところで、全科目に共通する勉強方法を確認しましょう。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
⇒1.間違った勉強法を止める
正しい勉強法をしっかり身につけたければ、間違った勉強法を思い切って止めることが大切です。
「自分には絶対このやり方が合っている」
「他の人と同じやり方で勉強したくない」
そういった思い込みで、成長を妨げてしまうのはもったいないです。
今の勉強法で結果が出ているのであれば問題ないのですが、もし思うような結果につながっていない場合は、一度勉強法を見直してみましょう。
やり慣れた勉強法を変えるのはなかなか難しいですが、やり方が違うほど効果を実感できると思います。
⇒2.「できるようになる」を意識する
ひたすら英単語を書き写して「今日は10時間も机に向かった!」と満足する人がいますが、それは間違った勉強法です。
なぜなら正しい勉強法は「できるようになることを意識すること」だからです。長時間机に向かうことではありません。
陥りがちな例が、知っていることや既に分かっていることを繰り返して、勉強した気になると言うものです。
理解できている問題をすらすら解くのはたしかに気持ちが良いですし、達成感が得られます。
しかし、それはただ時間を無駄にしてしまっているだけであって、成長にはつながりません。テストの成績が良くなるわけでもありませんし、現状からレベルアップできることもありません。
勉強とは、
問題を解く
答え合わせをする
問題をもう一度解き直す(理解できるまで繰り返す)
ここまでして初めて本当の意味での勉強になるのです。
勉強する時は、自己満足で終わらせないようにしましょう。
⇒3.勉強計画を立てる
勉強を始めようと思ったら、まずは勉強計画を立てるようにしましょう。
勉強計画とはいわば戦略のようなもの。
戦略なくやみくもに頑張ったとしても、努力が無駄に終わってしまうことがあります。
具体的な勉強の進め方については、次の段落で紹介していきます。
勉強の進め方
勉強の進め方は、次の4つのステップで理解しましょう。
「ぜんぶ当たり前じゃないか」「もうそんなこととっくに実践してるよ」と思った人もいるかもしれませんね。
しかし、それぞれのステップの意味を考えたことがある人は意外と少ないはずです。
各ステップの意味を理解し、意識して勉強に取り組むことができる人は、勉強が得意になりやすいです。
それでは、各ステップの意味を説明していきます。
⇒1.予習をする 予習をする意味は「自分のできることとできないことをはっきりさせる」ということです。
前段落で、「勉強するときは、できないことをできるようになることを意識しないといけない」と伝えました。
予習の段階で、今自分が何ができて、何ができないのかを明確にしましょう。
できないこと・わからないことがハッキリしたら、教科書やノートに書き出しておきます。こうすることで、授業中に集中して聞くべきことがはっきりします。
逆に言えば、すでに分かっているところを説明されている時は、軽い気持ちで聞いていてもいいのです。
もちろん堂々と居眠りしたり、隣の席の人と雑談したりしてはいけませんよ。
他の人の迷惑になってしまいますから。
しかし、50分程度ある授業時間中、高い集中力を維持することは不可能です。なぜなら、人間が集中できる時間はおよそ30分しかないからです。
限られた30分を、できないことをできるようになるための時間にあて、授業にメリハリをつけましょう。
⇒2.授業を受ける 授業時間は、予習でできなかったこと・分からなかった問題を、できるようにするための時間です。
授業中にできる事は、できる限り授業時間内で終わらせるようにしましょう。板書をノートに書き写したり、分からない単語を調べたりといったことです。
授業中にできることはさっさと終わらせておくことで、次のステップである復習にかかる時間や労力を軽くできます。
⇒3.復習をする 授業の内容踏まえて復習をするときは、「回数」と「タイミング」が重要になります。
1回聞いただけで理解できないことも、2回3回と繰り返すことで記憶が定着します。特に覚えたいことや自分のできない事については、最低でも3回は復習しましょう。
復習するタイミングは、
1.授業を受けた日 2.翌日 3.週末
の3回です。
このうち最初の2回については、それほど時間をかけなくても大丈夫です。
たとえば、ノートや教科書の内容を読み返すだけでOKです。
3回目の復習では、読み返すだけでなく実際に問題を解いてみましょう。
このように時間を置いて復習を繰り返すことで、記憶がどんどん定着します。
⇒4.テストを受ける テストは、わかった状態がキープできているかどうかの確認作業です。
これまで、予習→授業→復習という3つのステップを見てきましたが、最終ステップのテストを通して成果を確認することができます。
テスト勉強を始めるタイミングについて悩んでいる人も多いと思いますが、結論から言いますと「3週間前」が目安です。
「早すぎる」と思う人もいるかもしれませんが、テスト前にあたふたしたくない場合はこれくらいの期間が必要です。
では、実際どのようにテスト勉強を進めると良いのでしょう。下の表にまとめました。
3週間前〜2週間前→それまでにやった範囲を見返して、問題を解く
1週間前〜テスト前々日→それまでやった範囲を見返して、授業が進んだ分の内容を復習する
テスト前日→次の日の試験科目にフォーカスする
またテスト勉強ではテストの傾向を把握して、傾向に沿った対策を立てることも大切です。
テストの傾向を把握するための手っ取り早い方法は、今までのテスト(過去問)を分析すること。
少なくとも過去3回分のテストを見て、問題がどこから出題されているのかを見ていきましょう。
出題は教科書からなのか、資料集からなのか、授業中に先生が「ここ覚えとけよ」と念をしたところなのか……。
過去3回分のテスト分析をしていくと、自然とテストの傾向が見えてきます。
過去問題の分析を通してテストの傾向がわかったら、傾向に沿った対策を立てましょう。
対策は次の方法で立てると、うまくいきます。
採点されたテストが返ってきたら、点数に一喜一憂するだけで終わらせず、間違った問題をチェックしましょう。
間違えてしまった問題をなぜ正解できなかったのか、何をすべきだったのかを考えます。
テストで間違った問題を分析することが、次のテストの予習になっていきます。
次の段落からは、教科ごとの勉強方法を紹介していきます。
英語の勉強方法
英語の勉強方法は、以下の2つです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
⇒1.まずは徹底的に教科書をものまねする
英語を勉強する際のコツは「ものまねをする」ということです。
理科や数学と違い、英語は言葉です。
考えてみて欲しいのですが、みなさんはどうやって日本語(言葉)を勉強してきたでしょうか?
おそらく、まわりで日本語を喋っている大人たちの言葉を真似しながら、少しずつ習得していったはずです。
英語の場合も同じです。言葉をマスターするためには、ものまねが1番です。
英語をものまねする際の台本は、教科書です。英語の教科書を、最低でも10回は音読しましょう。
音読するときに気をつけたいのが「発音」と「アクセント」です。
英語は日本語と比較して、強く読むところと弱く読むところのメリハリがはっきりついています。
音読する段階では、読めない単語や理解できない文法は理解しなくても大丈夫です。とりあえず線を引いておいて、後で調べるようにしましょう。
・1単語1秒のペースで単語帳を読む
英単語帳を1冊用意したら、日本語訳が書かれている部分を手で隠しましょう。そうしたら「英単語を見て→日本語訳を答える」をひたすら繰り返すのです。
ペースは1単語につき1秒。
このペースは絶対に変えてはいけません。答えられない英単語は、そのまま飛ばしましょう。ペースを厳守することが優先です。
最初のうちはまったく答えられないかもしれませんし、答えられても間違いばかりかもしれません。しかし気にする必要はありません。繰り返すうちに必ず答えられるようになります。
慣れてくれば、10単語あたり2〜3分で覚えることができるようになります。100単語なら20〜30分。1000単語なら200〜300分。
最初は集中力が続かなくても大丈夫。やり方が身につけば、驚くほど簡単に英単語を記憶することができます。
ちなみにこの方法を取るのに最適な時間帯は、寝る前1時間。入力や歯磨きはそれまでに終わらせておき、寝る前のゴールデンタイムを単語勉強にあてましょう。
数学の勉強方法
「小学生時代は算数が得意だったのに数学になった途端に嫌いになった」という人は少なくありません。
しかし、算数も数学も正しいやり方で必要な勉強量をこなせば、できるようになります。
⇒1.問題の解き方を言葉だけで説明する
「基礎問題は解けても、応用問題になると歯が立たない」という人がいます。
公式はちゃんと覚えているのに、応用問題を見た途端、頭が真っ白になってしまうというパターンもあります。
数学の応用力を身に付けるには、公式を用いずに解き方を言葉だけで説明することが有効です。
たとえば平行四辺形の面積の求め方は「底辺×高さ」で求められますか、なぜその方式で面積が出せるのかまで理解できている人とできていない人とでは、成績に差が出てきます。
公式を丸覚えするのではなく「なぜこの公式が成り立つのか」「何がどうなってこういう公式になったのか」を言葉で説明できるようにしておきましょう。
⇒2.手を動かしてできるだけ多くの問題を解く
前の段落で伝えたように、公式の丸暗記だけでは数学を克服することはできません。
基本的な問題は解けるようになるでしょうが、応用問題に対応できなくなってしまいます。
大切なことは、演習量をこなすこと。1問1問理解しながら進めていき、間違えた問題は解けるようになるまで繰り返しましょう。
この「解けるようになるまで」と言うのは、1つ前のポイントで伝えた「言葉で説明することができるようになること」と同じ意味です。
「この問題は、ここがこうなって、こうだから、こういう答えになるんだ」
ということを、説明できるようになればOKです。
国語の勉強方法
国語には4つの力が求められます。
1.読む力
2.書く力
3.聞く力
4.話す力
このうち、読む力と書く力の鍛え方を解説します。
⇒1.読む力を鍛える
読む力を鍛えるには、語彙を増やすことが有効です。
国語の文章には大きく分けて「文学的文章」と「説明的文章」があります。
そして多くの人が「国語って難しい」と感じるのは、説明的文章を読解する際です。
説明的文章を読解する時に理解を助けてくれるのが語彙力です。
語彙力が豊かであればあるほど、説明的文章を理解できるようになります。
教科書を読んででいて知らない言葉が出たときは、すぐに辞書を引く癖をつけましょう。新聞やニュースで知らない言葉を見聞きした場合も同様です。
語彙力は短期間で身に付くものではありませんが、こまめに辞書を引く癖をつけておけば、国語力を底上げしてくれます。
⇒2.書く力を鍛える
書く力を鍛えようと思ったら、背景知識を増やしていくことが大切です。
「〇〇について書いてください」と言われてなかなか書けないのは、それについて知っていることが少ないからです。
無いものはどんなに頭をひねっても出すことができません。
ですので、普段からいろんな文章を読んだり人の話を聞いたりして、背景知識を増やしていきましょう。
国語の入試問題では、単純な正誤問題だけではなく、自分の考えを出させる問題が増えています。
書く力や伝える力は、なるべく早いうちから身に付けておきましょう。
理科の勉強方法
英語・数学・国語といった主要3教科と比べ、これからお話しする理科や社会の勉強を後回しにしてしまう人は多いです。
ここで理科の勉強方法を身に付けておきましょう。
⇒1.観察や実験について教科書を見ずに説明する
他の教科に比べて観察や実験が多い理科ですが、実験の目的やその結果が出るまでのプロセスを説明できるか試してみましょう。
どれくらい説明できればいいかの目安は「その実験に参加していなかった人が読んで理解できるかどうか」です。
⇒2.授業中にまとめたノートを白紙に再現できるかを試してみる
理科の授業では、ノートに公式や実験結果をまとめていることと思います。
まとめたノートの内容を、何も見ずに白紙に書き出せるかどうかを試してみましょう。
正確に書けない部分もあると思いますが、大体でもいいので「この説明のところにこんなあったな」という部分を書き出せるようにしましょう。
社会の勉強方法
「暗記が苦手だから社会が苦手」と思っている人はいませんか?
社会の勉強と言うと、年号を覚えたり、歴代の将軍や王朝名を覚えたりと、一問一答方式で勉強している人も少なくありません。
しかし、一問一答方式の勉強だけでは、社会で高得点を取ることができません。
ポイントは「ストーリーを語ることができるかどうか」です。
⇒1.歴史はストーリーで理解する 有名な語呂合わせに「鳴くよ(794年)ウグイス平安京」や「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」といったものがあります。
しかし実際のテストや試験でこのまま出題されることはほとんどありません。
意識して欲しいのは、「歴史をストーリーで理解する」ということ。
中でもポイントとなるのは「5W1H」の視点です。
つまり「いつ(When)誰が(Who)何を(What)どこで(Where)なぜ(Why)どのように(How)したのか」をまとめてみるということ。
ストーリーを覚えてさらに余力がある場合、興味のある人物や出来事について、インターネットや図書館でくわしく調べてみましょう。
ただし、インターネット上には匿名の投稿が多く、信憑性がないものも少なくありません。
その道の専門家が投稿した情報かどうか、第三者のチェックが入っているかどうかなどは事前にチェックしましょう。
⇒2.「逆一問一答方式」でどれだけ語れるかを友達と競ってみる
先ほど「社会は一問一答方式だけでは点数を取れない」とお伝えしました。
しかし、一問一答方式の逆バージョンは、社会の勉強方法として有効です。
一問一答方式の逆バージョンとはどういうことかと言うと、たとえば「鎌倉幕府について知っていることをすべて書き出してみる」といった方法です。
「天平文化とは何か?国風文化とは何か?」
というふうに、比較されることの多い文化を表に書きながら説明してみてもいいかもしれません。
自分1人でノートに書き出すのも良いですが、友達と一緒にやってみることでゲーム感覚で続けられます。
また、自分が用意した答え以外の答えを覚えられたり、新しい問題を作ることができます。
まとめ
「勉強が苦手」「なかなか成績が上がらない」という人は、勉強法を変えてみることで成績アップにつながる可能性があります。
これまで続けてきた方法を変えることには抵抗があるかもしれませんし、最初のうちは違和感を感じるかもしれません。
しかし、正しい勉強方法をしっかり身に付けておけば、勉強が楽しくなりますし将来にも役立ちます。
正しい勉強方法を身につけ「楽しみながら勉強できて、成果でも出せる」という好循環をつくりあげていきましょう!